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部屋を出て寄宿舎のラウンジへと向かう。
言い忘れていたが、彼は全寮制の中高一貫校に在学している。
「誰もいねえ…」
いつも誰か一人はいる筈のラウンジには誰もいなかった。
「…何で誰もいねーんだ?」
傍に有ったソファーに腰掛け、彼は天を仰ぐ。
その時、誰かが階段を下りてくる音。
「誰かいるのか!」
咄嗟にそう叫ぶ彼。
「その声…神野!神野 伸一(カミノ シンイチ)か!?」
彼の聞き覚えの有る声が返って来た。
「貫井か!?こっちだ!」
階段を急いで下りてくる音。
そして、彼の目の前に現れたのは、中等部からの友人である、貫井 紫苑(ツラヌイ シオン)だった。
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