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「紫苑、一体何が起こったんだ?」
「分からん…とにかく、他に誰か居ないか探すぞ。お前は 右から探してくれ、俺は左から探す。」
そう言うと、右側の階段を指さす紫苑。
言われるがまま、彼は階段を上る。
丁度2階に着いた時、紫苑が言った。
「三階の談話室で落ち合おう。…死ぬなよ。」
「誰が死ぬか…!お前こそな…。」
「ああ。…神野、念の為これを持って行け。」
そう言うと、何かを放り投げて来る紫苑。
彼が受け取ったそれは折り畳み式のナイフだった。
「無いよりはマシだ。持って行け。」
「悪いな。恩に着る。」
「なぁに…今度何か奢ってくれれば良いさ。」
さりげなく彼にがめつい事を言う紫苑。
「…ッ!…仕方ない。今度ラーメン奢ってやる。」
「確かに聞いたぞ。忘れるなよ。」
それを最後に、彼等は左右に別れて行った。
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