transfiguration-変貌-

4/9
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「紫苑、一体何が起こったんだ?」 「分からん…とにかく、他に誰か居ないか探すぞ。お前は 右から探してくれ、俺は左から探す。」  そう言うと、右側の階段を指さす紫苑。 言われるがまま、彼は階段を上る。 丁度2階に着いた時、紫苑が言った。 「三階の談話室で落ち合おう。…死ぬなよ。」 「誰が死ぬか…!お前こそな…。」 「ああ。…神野、念の為これを持って行け。」  そう言うと、何かを放り投げて来る紫苑。 彼が受け取ったそれは折り畳み式のナイフだった。 「無いよりはマシだ。持って行け。」 「悪いな。恩に着る。」 「なぁに…今度何か奢ってくれれば良いさ。」 さりげなく彼にがめつい事を言う紫苑。 「…ッ!…仕方ない。今度ラーメン奢ってやる。」 「確かに聞いたぞ。忘れるなよ。」 それを最後に、彼等は左右に別れて行った。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!