プロローグ

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はじめは、そんなつもりなどなかった。あえて云うなら、タイミングだった。 放課後、その生徒の教室の前を通りかかった。 空っぽの教室。不意に、目にケイタイが飛び込んできた。それも、その生徒の机の上に置かれていたもの。 俺は迷うことはなかった。足早に、そこへ行き、ケイタイをポケットに入れた。躊躇う事なんてなかったのだ。 だが、今はとても後悔している。自分のしたことは、犯罪だ。 メモを半分に折り、机の引き出しに押し込む。 ケイタイをポケットに、教室―持ち主の場所へと向かった。戻す為に―。
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