目覚めた夢は現実だった。

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無い! 俺の大事なモノがない! なんで!? 取れたの?消えたの?しぼんだの!? 「うわぁぁぁぁっ!」 思わず俺は声を上げた。 …が、 声が…高い…女の子の声だ…。 なんで!? 分からない!? 落ち着け…とにかく落ち着こう…、 胸に手を当てて深呼吸だ…。 …!? 大きいとは言わないが…妙に柔らかな感覚。 要するに…それは「おっぱい」だった。 どうしてだよ!? なんでこんなことに!? 今の俺は…女の子なのか? きっと夢だ…、 もしくは寝ぼけてるんだ…。 そうだ顔を洗おう。 そうすれば目が覚める。 俺は洗面所へ走った。 水道を開け、顔にバチャバチャと水を当てた。 …はぁ…はぁ。 暫くの沈黙…。 そのお陰で、俺の心は次第に落ち着いていった。 そうだ…そんなわけない…俺は寝ぼけてただけだ。 ふぅ…なんてことない。 俺はゆっくりと顔を上げた。 目の前には鏡、写るのは冴えない少年の顔…。 じゃなかった…。 そこにあったのは出会ったら一瞬で恋に落ちそうなほどの美少女。 その日、俺は女になった。
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