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マネージャーの美作は、そう言うと、多田を追いかける様に体育館手前にある部室に向かった。
「ところで、今年の新入部員の中に即戦力になりそうな逸材はいそうですか?」
美作は多田に追いつくと、単刀直入に聞いてみた。
「どうだろうねぇ。バスケやサッカーと違って、ネットの高さもボールの規格も違うだろ?ついこの間まで中学生だった奴らが、環境にすぐに適応して、自分のポテンシャルを発揮出来る奴は、そうそういるもんじゃないだろ?」
「それに……そんな優秀な奴は、きっと好き好んでウチの学校には来ないしな」
妙に説得力のある言葉に、美作は納得したと同時に落胆のため息をはいた……。
「先輩……という事は、即戦力なんていないって結論を言っているのと同じじゃないですか?」
「まだ、まともにプレイしているところは、見ていないからな。それに、そんな漫画やテレビみたいに天才プレイヤーが入って来て、大活躍して優勝しましたなんていう話があるわけないだろ?名門校じゃないんだから」
多田は、学食の販売機で買ったパックの烏龍茶を飲みながら、話を続ける。
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