第一章

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「具体的にポジションを決めるのと控えメンバーと混じって、レギュラーとミニゲームの相手が出来るくらいの者を選別しようと考えた」  二人に渡された紙には、新入部員の十二名の名前と一緒に、身長、体重、バレー経験の有無、やっていたポジション、希望ポジションの詳細が記載されていた。  更に各詳細の下には、スタミナ、敏捷性、知識(ルール把握)、パス技術、ブロック、アタック、サーブ、レシーブと細かに分けられた欄も書かれていた。 「何かパワプロみたいだな……。ところでコーチ? 何故、この下の方の欄には詳細が書いていない……というか、全て空欄になっているんですか?」  多田は指を顎に当てながら、渡された時から、気付いていた疑問点を東山に投げかけた。 「あぁ、その欄は、お前達二人が書き込むからだよ」 「今日から一週間、新入部員をチェックしながら、記入していってくれ。勿論、監督と俺も同じ様に書き込む」  黙って話を聞いていた美作だが、大きな疑問を感じずにはいられなかった。 (何故、マネージャーである俺が、監督、コーチ、キャプテン同様に新入部員の評価をつけなければならないんだ?)
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