プロローグ

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 美作は、東山の前に立つと、その場にいた東山を含むチームメイトの誰もが予想出来なかった驚愕の言葉を発した……。 「コーチ……お願いします! 俺を出して下さい!!」  美作の言葉に、その場にいた全員が、唖然とした……。 「何を言ってるんだ?」 「そうだ!!」 「だって、オマエは……」  『マネージャーだろ!!』  刻一刻と迫っている試合開始の時間が近づいている。  美作の失言? いや……暴言とも取れる言葉に意味はあるのだろうか? 「美作、お前さぁ、先輩達を和ませる為に冗談言うにしても……すいませんねぇ、コーチ」  美作と仲の良い岡林が出て来て、慌てて、そう言うと輪の中心にいる美作を引っ張ろうと手を引くが、当の本人は、動く気が全く無い様子で、眼前の東山の目を離さなかった。  チーム全員が、端から見ておかしな言動をするマネージャーに困惑していた。  どう客観的に考えても、イカレているとしか思えないこの言動。  控え選手であるならば、まだわからないでもない話だろう。  しかし、実際に懇願しているのは、紛れも無く単なるマネージャーなのだから……。
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