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就任してから今までチームの一切合切を任されてきた東山にとって、こんな状況は面白い筈があるわけがない。
そんな東山の心境を悟ってなのか、はたまた、監督のペースなのかは定かではないが、監督は、東山に語りかけてきた。
「東山君には、全てを話しますから、まずは私の指示通りにして下さい。試合が始まってから話しても遅くはありませんし……」
「それに…試合が始まれば、きっと貴方も納得しますよ」
監督は、釈然としない東山をよそに、全てを知っているかのような口ぶりで、静かにそう語りかけた。
そして、主審のホイッスルが鳴り響き、いよいよファイナルセットが始まった……。
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