1.特別に

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「お前、油断しすぎ。」 「…は?」 冷たい空気が俺らの周りに 流れる。 普段はそうなると途端に へらり、とした笑みをみせる 悠が睨み付けたまま。 「いつもは、って恭平は言うけど 俺から言わせたらいつもの お前だったら、あの時すぐに 美鈴ちゃんを追い掛けてた。」 「…だって。」 「まさか美鈴ちゃんは自分の ものとか思ってる? 美鈴ちゃん最近、可愛いって 全学年に有名だよ? 恭平なんかよりいい男、 見つけるかもよ?」 まくし立てる悠に言葉が出ない。 油断? 確かに、してた。 美鈴に俺じゃない男? ぞくり、と嫌悪感にもとれる 黒いものが背筋を走る。 「冗談じゃねーぞ…。」 「ひっでー男。」 くすり、と悠は笑う。 昼休み、美鈴の教室へ行って。 それで仲直りをしよう。 .
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