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「…こいつの味方するのか?」
「そーゆー問題じゃなくて!」
「俺が怖くて付き合ってたのか?」
「…なに言って…。」
はっ、と恭ちゃんを見上げれば
泣きそうに顔を歪めてて。
「こいつの方がいいのかよ!」
「っ恭ちゃ…。」
初めて怒鳴られた。
恭ちゃんは何も言わない私に
舌打ちをして、机をける。
そのまま荒々しく教室を
出ていった。
「おー怖いな。
徳永、あんなのに絡まれてんの?
可哀相だったなー。」
佐竹くんの言葉に首をふる。
「恭ちゃんは…優しいもん。」
そう。
恭ちゃんはいつだって優しい。
私の我が儘だって笑顔で
聞いてくれた。
私は?
優しさや温かさを求めるだけで
与えてた?
求めるだけの恋じゃなかった?
恭ちゃんの泣きそうな顔が
頭を離れなかった。
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