1.特別に

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「…こいつの味方するのか?」 「そーゆー問題じゃなくて!」 「俺が怖くて付き合ってたのか?」 「…なに言って…。」 はっ、と恭ちゃんを見上げれば 泣きそうに顔を歪めてて。 「こいつの方がいいのかよ!」 「っ恭ちゃ…。」 初めて怒鳴られた。 恭ちゃんは何も言わない私に 舌打ちをして、机をける。 そのまま荒々しく教室を 出ていった。 「おー怖いな。 徳永、あんなのに絡まれてんの? 可哀相だったなー。」 佐竹くんの言葉に首をふる。 「恭ちゃんは…優しいもん。」 そう。 恭ちゃんはいつだって優しい。 私の我が儘だって笑顔で 聞いてくれた。 私は? 優しさや温かさを求めるだけで 与えてた? 求めるだけの恋じゃなかった? 恭ちゃんの泣きそうな顔が 頭を離れなかった。 .
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