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―恭平Side
「お前、何、引きこもってんの?」
呆れたように言う悠を
ベッドから見下ろす。
あれから三日。
部屋から出ていない。
「別に…。
なんか面倒になった。」
「美鈴ちゃんにふられたからって
そんなに落ち込むなよ。」
「…ふられてねーし。」
でも、自信がなくなった。
「なんか転校生が美鈴ちゃんに
猛烈アタック中だけどー?」
にやり、と笑う悠を思わず
蹴り飛ばす。
「いってー…。
転校生は恭平くんと違って
頭よさそーで真面目そうな
爽やかな少年だよねー。」
「…俺、頭いいし。」
分かってる。
あの偉そうな転校生は汗と
太陽が似合います、みたいな奴。
俺には血と闇の方が合う。
美鈴を幸せにするなら断然
あっちのほうが相応しい。
思わず自嘲の笑みが零れた。
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