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今日もまた一人。
朝はいつも恭ちゃんと
ゆっくり来ていたからか、
朝礼までの時間が余る。
転校生の佐竹くんも一人なのか
よく話し掛けてくる。
恭ちゃんとは反対の印象を
うける容姿。
だからこそか。
逆に恭ちゃんを思い出す。
「まーた、あの不良先輩のこと
考えてるの?」
「……。」
「あーゆー人には見切り
つけたほうがいいと思うよ。」
佐竹くんの言葉に頭に血が昇る。
恭ちゃんのこと、何も知らない
くせに!
あんなにかっこよくて、あんなに
優しい人は見たことがないよ!
そう声を荒げようとしたとき
ガラリ、と教室の扉が開く。
ほぼクラスに人がいるなか
皆が扉を見た。
そこにいたのは。
願って、恋しくて、求めてた。
「恭…ちゃん…。」
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