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恭ちゃんはパーカーのフードを
被っていて。
恭ちゃん、ともう一度呼ぶと
にっこりと優しく笑う。
あぁ、恭ちゃんだ。
バサリ、とフードを外した
恭ちゃんを見て。
思わず驚き、固まる。
少し長めで淡い茶髪だった髪は
ばっさり切られ、黒に戻って。
ピアスは全部外されてて。
でも頬には大きな湿布。
そんな姿もかっこいい。
「美鈴を一生幸せにしたい。」
「え?」
「だから…ケリ、つけた。」
恭ちゃんは真剣な表情で。
「総長は引退した。
争ってたとこにも殴られに
行って、解決した。
髪も切ってピアスも外して。
これからは勉強も真面目に
受ける。」
だから。
恭ちゃんの形のいい唇が動く。
「また、俺の側にいて。」
涙が零れた。
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