1.特別に

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「ったく…あんな可愛いこと 言うなよ。」 私にだけ向けられる優しい声。 「恭ちゃ…っ!」 ちゅ、と柔らかいキスに言葉は 遮られる。 「お前が不安になることなんか 何にもない。 俺は美鈴が世界で一番好きで 愛してる。これは変わらない。」 もう一回、今度は髪にキスが ふってくる。 「俺はいつだって美鈴を 宝箱の中にしまって、 どこにも行かねーように 鍵をかけておきたい。 …女といたことは、ごめん。 美鈴が側にいるのが当たり前 だと思って油断してた。」 ごめんな、と謝られて。 「私も…恭ちゃんの目に 映るのは私だけだって思ってた。 私…自惚れてたの。」 「自惚れてろ。」 「え?」 「俺の目に映る女は美鈴だけだ。」 なんて。 綺麗に笑うから。 やっぱりあなたが大好きで 大好きで堪らないんです。 .
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