1.特別に

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「おい、転校生。」 「はいはーい…。」 佐竹くんの声にやっとここが 教室だったと思い出す。 恥ずかしさで恭ちゃんの胸から 顔があげられない。 「悪いけどこーゆー訳で 美鈴のことは諦めろ。」 「…仕方ないですね。 せっかく久しぶりに気に入った 子だったのになぁ。」 「残念だな。 俺は獲物は逃がさない主義 だからな。」 にやり、と笑った気配の 恭ちゃん。 ん? 獲物、って…私? 「さすが総長さん。」 「元、な。」 「いーんすか? そんな簡単にチーム捨てて。」 「優先順位は美鈴が一位だ。 他のは捨ててもいい。」 そう言う恭ちゃんに何だか 凄く嬉しくなる。 「すげー惚気。 とりあえず授業妨害になるんで 教室から出てって下さい。」 呆れた顔でいう佐竹くんに ますます恥ずかしさが増した。 .
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