1.特別に

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しばらく無言でいると。 恭ちゃんの両脇にいた女の人が 腕を絡ませて、恭ちゃんに 上目使いで聞く。 「恭平くーん、誰、この子?」 「てか恭ちゃん、って可愛い 呼び方ね。 私もそう呼ぼうかしら。」 かーっ、と頭に血が上って。 「だめっ! 私だけの呼び方だもんっ!」 恭ちゃんは初めて口を開く。 「…腕、離せ。」 両脇の女の人は渋々離れる。 さっきまでの無表情を 恭ちゃんは崩し、柔らかくする。 「美鈴、浮気じゃないから。 団体で遊んでて、あいつらが 勝手に連れてきただけ。な?」 ぽん、と頭を撫でられる。 あいつら、って多分後ろにいる 仲間たちのこと。 でも、なんか悔しい。 こんな子供扱い。 私、彼女でしょ? もっと宥めるように、じゃなくて 悠さんみたいに一生懸命 言い訳してよ。 .
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