2.酔っ払い姫

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「紗穂が周りを気にする 必要なんてない。」 「でも…。」 「お前は俺だけ見とけ。 そしたら俺もお前だけしか 見ねーから。」 両手で紗穂の両頬をつかみ 紗穂の好きな甘い笑顔を 向けてやる。 「なぉき…くん。」 酒か、照れか。 紗穂の顔は真っ赤になる。 その額に、頬に、唇に。 キスを落としてやって。 「俺は紗穂を愛してる。」 なかなか言わない言葉を 言ってやる。 紗穂はまた顔を赤くして。 「わ…わたしも…なおきくん だいすきらよ。」 へにょん、と笑って。 くそー、やっぱ可愛い。 ぎゅーと抱きしめてやる。 んな笑顔を振り撒いて。 不安になるのは俺の方だ。 離れんなよ、囁くと。 返ってきた返事は。 「くー…。」 「………。」 こいつ、寝てやがる。 はぁ、とまたため息をつくと 紗穂を持ち上げベッドまで運んでやった。 .
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