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「でも女の人、側にいる。」
また睨めば。
「困ったな。」
恭ちゃんは少し笑って。
その仕種にますます苛立つ。
「…そーだよね。
恭ちゃんかっこいいもんね。
女の人が寄ってきても
しょうがないし、日常茶飯事
なんだもんねっ!」
「…美鈴?」
「恭ちゃんの馬鹿!
絶対、嫌いになってやるっ!」
そう大声で言ってから
家に向かって走り出した。
嫌いになるもん。
私は恭ちゃんの横に女の人が
いるだけでも嫌なのに。
恭ちゃんは違うの?
しばらく走って。
足を止める。
「なんでよ…。」
もう、泣きそう。
なんで追い掛けてくれないの?
こんな子供な私。
もうどうでもいい?
「恭ちゃんの…ばぁか。」
ほんとに嫌いになっちゃうよ。
ついに涙が落ちた。
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