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Prologue
「はは……」
少年は笑う。
力無く横たわり、その胸に深紅の槍が深々と刺さっている。
「なぁ…」
目の前の少年少女を見ながら、槍で貫かれた少年は問う。
「ただ…生きる事すら望むのが罪だったのかな?」
「……」
その問いには誰も答えない。
その沈黙は肯定であり、否定だった。
「ならいっそ……」
少年は儚く微笑み、最後の言葉を呟いた。
「こんな世界…滅びればいい」
そう言って少年は自らを貫いた少年たちに向かって手を伸ばす。
そしてその手は何も触れる事なく地面に落ちた。
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