story1

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「かったりぃなぁ~~」 だらしなく伸びた声、少年は体を伸ばしながら空を見上げる。 「さんさんと照らす太陽。ウザイったらありゃしねぇ」 「なにを言ってるんだか……」 そんな呑気な少年に突き刺さるような鋭い女性の声。 「よぅ、ファリス」 「よぅ…じゃないわよ。なんでこんな奴がこのアステア騎士養成学校のトップなのよ」 「……努力?」 少年がふざけて言った瞬間、ハイキックが飛んだ。 少年はそれをかがんでかわすと、一気に駆け出した。 「黒のレース。ごっそさ~ん」 そう言って一目散に逃げ出した少年をファリスは顔を赤くしながら追いかける。 少年の名前はステラ・アーツ 一見少女のような名前だが、れっきとした男である。 「よっ、ステラ」 「ういっす。レイン」 レイン・カルバーン ステラの親友であり、騎士養成学校の二番手である。 「ちなみに今日のファリスは?」 「黒のレース」 レインの問いの意味を理解しているステラは即答すると、レインは指を鳴らした。 「勝負…だな」 「ああ、勝負だ」 勝負下着の事であろう。 レインも巻き込まれかねないので二人でダッシュする。 「待ちなさーい!!」 スカートであるのにも関わらず、ダッシュするファリスに二人はニヤリと笑いながら速度を上げる。 「よっ、姫」 「きゃっ、ステラ君」 途中、ステラがおっとりとした少女をいわゆるお姫様抱っこして捕まえる。 アリア・ランフォード そのおっとりとした性格から、ステラとレインには『姫』というあだ名がついている。 「また、ファーちゃんを怒らせたんでしょ」 「いや、今回は奴の自爆」 ステラはアリアを抱えながら答える。 実はファリスの自爆率が六割りを占めているのは友人のよしみで二人は言わない。 閑話休題。
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