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「ふふ。
見事ネタで返してくれましたね」
四人の視線の先には衣に袴、つまり道着姿の黒髪ロングポニーテールが立っていた。
(何っ……!?
巨乳、F、いやGか?
形良好、感度は……)
「あなたは?」
「弓道部主将、一年の早乙女花音(さおとめ かのん)です。
アニメのお話ならわかります」
(新キャラがおたく……なにこの寮)
美咲の問いに答えた少女、花音は四人に混ざる。菓苗はずっと花音の胸ばかり気にしているが。
「私、弓道部に入りたいですわ」
そう言ったのは菓苗。その天使のような笑顔に美咲はまたも倒れそうになる。しかし倒れたのは違う人だった。
「……ぷっ…………ぶーーーっ」
「……血?
きゃあああ!?
早乙女さん大丈夫!?
早く安全な場所に運ぼう!
遥は足持って」
花音が急に美咲に鼻血を噴きかけながらその場に倒れた。口がひくひくと動いて目を回している。美咲の迅速な対応により花音は一番近かった美咲達の部屋へ運ばれた。柊姉妹もついてきている。
「ん……」
目を覚ませばそこは見慣れない天井。アニメのポスターが貼ってある。
(知らない天井……エヴァ○ゲリオ○じゃあるまいし)
「……かな?」
よく聞こえない。夢でも見ているのだろうか?しかも身体がかなり揺れている。地震?だとしたら速く避難しなければ。
そう考えを廻らせながら一番新しい記憶を辿る。紙飛行機を飛ばして、愉しそうな四人と出会って……鼻血。
……鼻血。
鼻血。
「--ハッ!」
「うわ起きた」
美咲達の懸命な救助のおかげだろうか。花音が起き上がり顔色も良い。
「早乙女さん大丈夫?」
花音は美咲の顔を見てようやく状況を把握した。
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