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教室へ戻る美咲。それを四人が出迎える。
「おっ、美咲ー」
「ただいま遥。
メンバーとかは?」
「それは……」
言葉を詰まらせる花音。その無言は答えになっている。
(刹那とかなんでもできるから問題なさそうなんだけどなあ。
絶対ピンチじゃなきゃやってくれないし。
てか刹那部活入れない設定なんだっけ?
厄介だなあ……普段情報思念体とか言っててもおかしくないのに)
「どうかなさいましたか?」
黙り込む美咲を菓織が心配する。
「ううん、大丈夫だよ」
(学校でもその格好なんだよね~。
いくら自由だからってウチの学校大丈夫かな)
「フリーダム!」
「勝手に人の心読まないで遥ぁ!!」
「えへへ……」
「キラトマト、行きます!」
「そこ!
ネタに繋がない!
てかトマトじゃないでしょ花音ちゃんっ」
「よーし席に着けー。
面倒やけど授業するで」
「黒沢先生来たよ。
また放課後ね」
解散する一同。
「よーし、えっとー……」
美咲は何やら書き始めた。
「じゃあここ、神楽坂答えてみ」
「はいっ。
えっと……ん?」
「神楽坂さん、これ」
隣から助け舟。美咲は渡されたノートを見て答えた。
「正解や。
次は……」
何とか難を逃れた美咲。助けてくれた人へお礼を言う。
「ありがと。
えっと……」
自己紹介をはしょられたので、美咲はクラスメートの名前がわからない。
「神高琴美(かみたか ことみ)よ。
別にしたくて助けたわけじゃないから。
ただちょっとそれが気になるだけ」
美咲の隣に座る少女は肩までのショートヘア、眼鏡をかけた巨乳、机の隅に小説を置いた勉強ができそうな人。
(え、ツンデレ?
しかも眼鏡属性、ついでに花音ちゃんを超えるだろうバストの所持者!?
くっ、サブウェポンがむしろメインに見える強敵ね)
そんなよくわからない思考を巡らせていると、琴美は照れ気味に言葉を続ける。
「で、それ何なの?」
琴美が気にしているのはノートの一部。そこへ落書きのようにアルファベットが書き込まれている。持ち主は美咲、授業そっちのけで険しい顔でそれを眺めていた。それが気になったのだ。
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