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放課後。
「むむむ……」
「どったのー美咲?」
「あぅ」
「はぁ」
広い敷地。人は無く、木々が鬱蒼と生い茂る。
「迷いましたねー」
そう、美咲は迷っていた。先に行くと言ったものの、弓道場の場所を把握していない。勘で歩いた結果
「万能おたく」
「ロリ」
「コスプレ猫」
「眼鏡」
のパーティーが、学園で遭難していた。
「ゲームでも戦略にならないわよ。
魔物がいなくて感謝ね」
皮肉を言う元気はあるらしい。少し厳しい琴美。
「ばーろぉ。
なんとかなるに決まってんだろ?」
「おぉ!?
その名台詞」
「弓道場は必ず近くにある。
真実は、いつも一つ!」
「出ました彼女は言わずとしれた名探偵。
見た目はギザカワ、素直はおたく」
「神楽坂美咲。
そう、この話は名探偵、神楽坂美咲の事○簿。
必ず弓道場を見付けてみせる。
アニオタの名にかけて!!」
「言ってるネタとやってるネタがゴチャゴチャ。
それに弓道場はあるの。
ツッコミキャラって大変なのね」
「えー……琴美さん、あなたは本日放課後、どちらへいらっしゃいましたか?」
「ずっと一緒にいたでしょ。
化粧室には一回行ったけど。
いきなり何よ」
「わかったんですよ、犯人がね」
大木に背を預けながら眠るようにくったりとする美咲。
「これは眠りの神楽坂。
一体誰なんですか?
アリバイが無いのは」
「いい加減にしろっ」
「「あいたっ!!」」
「真面目にやらないと殴るわよ?」
「「もう殴ってるよーことみん」」
「また殴る必要があるわね」
「実はことみんもネタわかってるじゃんかー」
「そうだー」
「うっ、うるさいわね!
早く行くよ」
「「ツンデレことみん萌え」」
「「いたーい!!」」
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