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寮生活の手続きを済ませる美咲。高校デビューというやつだろうか。
高等部初日。昨年からだが、明日香と一緒に登校するようになった。朝食や寝起き等は全て明日香任せだった美咲にとって、大袈裟だが最後の朝となる。
寮にはほとんど不自由のない生活環境が揃っており、美咲はハードディスクやクッション等を持ち込むだけにした。
「はい自己紹介よろしゅう。
ウチは黒沢美奈子(くろさわ みなこ)やで~。
そろそろ関西キャラ欲しくなる頃やん?
せやからキャラ設定頼まれてんねん。
出身はこの町やけど……。
そんでな、細かい事情話すとあんまり登場人物増やしたら管理大変やん、てなってもうてなー。
で、時間もったいないし聞くの面倒やし文字数増えるっちゅうことで神楽坂だけ自己紹介頼むわ」
狐のような表情できゃはと教卓で話す教師。長い金髪をうなじのところで結んである。美人教師とはこのことか。性格はわからないが。そんなことより淡々と軽々しく細かい事情まで説明するのはどうかと思います先生。
名指しされた美咲は慌てながらも決意の表情で立ち上がる。
「桜高中等部出身神楽坂美咲。
ただの人間には興味ありません!
この中にアニオタ、ニコ厨、漫画ゲーム好きな人がいたら私のところにきなさい!
以上!」
それだけ言って美咲は座る。
「なんや元気があってええ感じやなー。
先生もネトゲならやるで。
神楽坂とやりたいわ。
ちなみにウチよう"あの人"に似てる言われてんねんでー。
神楽坂ならわかるやろ。
アレやアレ」
美咲には先生の言うことが理解できてしまった。確かに……似ている。
そんな話をしつつ無事に半日終了。本日は半日で下校することになっている。美咲の自己紹介は良い意味でも悪い意味でも多くの反響を生んだ。
(やっぱり隠すのよくないよね。
仮に友達できなくても私にはみんながいるし)
みんなとは麗華達のことである。クラスは違えど関係は崩れない。今も仲良しである。
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