9人が本棚に入れています
本棚に追加
必死に雑念を取り払うためにかぶりを振る美咲。
「で、メニューってなによ」
「これですわ」
麗華から渡されるA4用紙。題目は……
「オペレーション・神楽坂巨乳大作戦!ですわ」
「オペレーションと作戦被ってないか?」
「しーっ!
レオ、俺達はあんまりツッコミいれちゃ駄目だ。
呟くようにつっこむことで面白い日常会話が成り立つ」
「そう、僕達は今あくまでもサブキャラだよ。
レオはそのうちメインになるけどまだ我慢だよ」
「れいちゃん、頑張って考えたのはいいけどオペレーションと作戦が被ってるよ?」
「……わざとですわ。
少し貸しなさい美咲さん」
麗華は美咲から用紙を取り返しマジックペンで書き込む。
「おい、サブキャラはおとなしくツッコミを入れるんじゃないのか?
ゆりっぺ普通につっこんでるじゃねぇか」
「落ち着けレオ、役割というものがある」
「そうだよレオ、細かいこと気にしてると偉い人に怒られちゃうだろ」
「出来ましたわ」
題目には訂正線が引かれ、その下の余白に大きく書き込まれた整った文字。
「ボインボイン大作戦……?」
「何でも大作戦付ければいいと思ってるのか姫は」
「イライラしないでねレオ君、どーどー」
「気持ちはわかるけどレオ、深呼吸だよ。
ヒーヒーフー」
「最後に大作戦付けると盛り上がるけど、○○大作戦だとなんだか無理矢理なのだ」
「……それもそうですわね」
また書き直す麗華。白く細い腕がせわしく動く。
「今度はカニがつっこんだぞ。
しかも俺の受け売りのように」
「「レオさーん、いつもの君なら平気だよ」」
「これで決定ですわ!」
そこには細かく書かれたであろうメニューすら無視して上書きするように書き込まれた三文字「大作戦」。
「……二人とも、止めないでくれ。
姫の意識改革が必要だ」
最初のコメントを投稿しよう!