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「な……なるほど?」
いまいち納得できない美咲。
「この部屋は部室だった」
今までだんまりだった校長が口を開いた。
桜美空竜宮校は名前の通り麗華の家系が営んでいる。それは校長がこの学園の校長になったばかりのことだった。活発な生徒、年頃の少年少女が悪さをするのは至極当然。当時の桜校は現在ある校舎を新校舎として建設していた。今の弓道場は旧校舎にあたる。そんな中ある部活を発足した生徒達がいた。
「風俗研究会」
「わぉ。
ここの歴史についても興味あるけどね」
「なっ、何なのその卑猥な名前は!?」
(ゲームとかでありそうな部活ね。
キャラ強いんだろうなぁ)
遥と美咲がそれぞれ驚きの反応を示す。旧校舎ともなれば弓道場の広さにも頷ける。
部活内容は性に関する知識と歴史文化について研究する部活だったという。しかしそんな内容が許されるほど学校側も温厚ではない。
「そりゃね」
「許されたら私だってオタク部作るわよ」
オタク部は別に問題ないと思うが。
そこで生徒達は考えた。会長に当たる人物は特殊な人脈の持ち主だった。部活名を適当な物にしては生徒会に見付かるまで活動し、逃亡劇を繰り広げていたらしい。そのおかげで部室は荒れ放題。今の有様である。
「あははっ、楽しそうだねそれ」
「私達に似た生活なのかな」
目に涙を浮かべながら腹を抱えて笑う遥。自分達生徒会と重ね合わせてみる美咲。
そんな学園生活は彼らにとってとても楽しく、充実していたに違いない。彼らの卒業と同時に旧校舎は当時一番活発で優秀だった弓道部の活動場所となった。その改築の際に業者と何らかの交渉を経て部室だけ隠れるように残してもらった。
「うわ抜目ない……」
「エロゲ主人公並の行動力ね」
校長はそんな部員達を微笑ましく見守り、大切にしたいと考え、たまに思い出が掠れぬようここへ顔を出すらしい。校内で権力の強い風紀委員長である林檎はよく一緒にいるという。
「トップだ、安全には細心の注意が必要だ」
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