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「なんだ、そういうことかー」
一呼吸置いて二人の菓苗の説明を聞いて納得の美咲。
「そりゃ、双子なら似てるよー。
目元にある左の黒子が菓苗さんで、コスプレの右黒子が菓織(かおり)さんだね。
……ってかかわゆっ!!」
「だよね美咲、わかる?
私もずっと思ってて、しかもお友達になれるとか最高じゃない!」
美咲と遥、二人に撫で回されて菓織の顔はみるみる赤らんでいく。
「……ぁぅ、私、そんなに……あぁっ。
だめ……いや……ぁ」
(あーあ、コスプレなんかするからそうなんだよ。
そんな貧乳二人に弄られて悦んでるんじゃねーよ。
まっ、百合百合しくて薔薇よりは健全だけどな)
息を荒げる菓織を冷めた表情で見守る菓苗。実はものすごく冷たい人なのでは。
そんなやり取りが廊下で行われてる中、会話内容を知ってか知らずか、通り掛かる人々は美咲を羨ましく思う。
(もしかしてあの娘柊さんとものすごく仲が良いお嬢様!?
だとしたら今度私の好感度を上げるべき?)
(こっ、これはファンクラブを結成するべき!?)
騒ぐ美咲達四人。正確には二人。その二人の視界に廊下を飛ぶ紙飛行機が入った。
(あ--)
(--あれは)
「「アルトだね!」」
「「?」」
声を揃えた美咲と遥。それに対して頭にクエスチョンマークを浮かべる柊姉妹。
「知らないの柊さん達?
う~んっ!
二人は純潔なんだね。
健全なんだね。
私達にはついてこれない一般人なんだね」
「二十五話の声MADだよ?
魚買いなさいだよ?
児だよ?
これだけ言って知らない人がニコ動で検索した時削除されてたらどうする美咲?」
「歌うしかないよ!
カラオケ行こう」
「ゆしきたッ!」
暴走し始める二人。二人にだけは世界が見えているのだろう。いつの間にか美咲も遥と同じペースになり、遅れていないことに驚きである。
「柊さん達は一般人……偏見だらけの世界はいくない!」
「偏見なんて誰が……?
酷いよね遥。
誰か教えて、偏見とは一体?」
「全てノストラダムスの陰謀だったの」
「「なっ……なんだってー!?」」
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