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「純さん、純さん」
まだ眠たくて目が開かない
「ん…今何時…?」
「午前5時ですよ」
ゆっくり起き上がって
薄暗い部屋をぐるりと見渡す
最後に隣りに目をやると
健志がいつもの笑みでこちらを見ている
「まだ…眠いんだけど…」
「でも7時に亘が来るんです」
ズキッ、と胸が痛む
「なんで断らないの…?」
俺ともっといたくないの?
目で訴えてみたが
健志はただニコッと笑って
俺の昨日吸ったタバコの灰を捨てた
「じゃ、午後現場で」
「おう…」
本当は帰りたくないけど
察せられるのが嫌で
健志にすぐ背を向けて歩き出した
「あ、純さん!」
振り返るとすぐに
唇を塞がれた
「大好きです」
「ハハ…お前…ズルいよ」
「ん?」
「何でもない」
健志は亘が好き
それは分かってる
でも
俺も健志が好き
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