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声を聞いてすぐ分かった
村上はアイツのとこにいた
「あの野郎…」
楽屋に早めに入ると
すでに奴はいた
「カズさんおはようございます」
「おぉ…健志ちょっといいか?」
「いいですよ」
廊下に呼び出して
俺はすぐに健志を殴った
ゴッ、と鈍い音と右の拳の痛み
床に倒れ頬を押さえる健志
一瞬のことだった
「痛…っ…なんですか?」
「もう村上に手出すな…!!」
「は…?」
「知ってんだぞ…お前が好きなのは亘だってことくらい!亘振り向かすために村上と付き合ってんだろ!?」
健志は黙ったまま
ニヤッと口角を上げた
「何笑ってんだよ!!」
「関係ないじゃないですか、カズさんには」
「あぁ!?」
「純さんが好きなのは僕なんです」
言い返せなかった
「カズさん、自分相手にしてもらえないからって嫉妬しないで下さい」
そうだったのかもしれない
これはただ一方的な片思いで
俺は無関係
「畜生…」
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