精霊2

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そこで俺は気になっていたことを訊いてみることにした。 「なあ、レオ。昨日俺達が見た精霊って一体何なんだ?」 俺はまだ信じられないでいた。 あんな非常識なものが現実に存在するなんて。 「そのまま消えていくもの。そしてそれに抗っているもの。私が知ってるのはそれくらいね」 「え?」 昨日から思っていたが、こいつはたまに抽象的過ぎるようなことを言う。 「……じゃあ、何でリナを襲ったり、俺に罠を仕掛けたりしたんだ?」 「だから、足掻いてるのよ。そのまま消えたくないから。昨日リナって娘が襲われたのもその試行錯誤の中の一つね」 「そんな、人を巻き込んで、そんなこと……」 他人を不幸にしてまで幸せを追ってはいけない。 俺の親父の教えだ。 「タクマだって昨日精霊を殺して、リナって娘を助けたじゃない。同じよ」 あれと同じと言われるとなんだか少しイラっときた。 「俺はあんな化け物じゃないさ」 「……子供ね」 「は?」 レオは箸を置いて立ち上がると背伸びして、 「シャワー浴びるわ。お風呂場、どこ?」 そう言ってきた。 「玄関から近いとこ。洗濯機の隣の部屋だよ」 「そう」 何だろう。 どこかレオが怒っているように見えたのは気のせいだろうか。
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