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「服欲しい」
シャワーを終えてのレオの第一声。
「シャワー浴びたのにこのワンピースだけなんて嫌よ」
「そ、そうだな。着替えたらいいじゃないか」
「着替えが無いから言ってるの。お金、頂戴」
こいつ、わがまま放題だな。
「金は無いよ。昨日お前がレストランで散々使ってくれたからな」
自業自得である。
「なっ……うぅ……そこまで考えてなかったわ……」
そういうとレオはドサッとベッドに横になった。
「私、何でここにいるんだろ」
ぼそりと、微かな声だったが、そう言ったのが聞こえた。
テレビをつけて30分くらいだろうか、俺ははたと思い立ってテレビを消した。
「あっタクマ、何で消すのよ!今見てたのに」
テレビでやっていたのは特撮ヒーローものだ。
俺は興味は無かった。
ただテレビをつけたらやっていたので惰性見ていたのだが。
レオが見ていたのは意外だった。
「もっかいつけなさいよ」
「やだ。俺今からリナのお見舞い行くから」
ついつい、非日常的なことが起こりすぎて人として当然のことを忘れていた。
命が助かったとはいえ、いつも世話になってるのだお見舞いくらいはすべきだろう。
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