835人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あっそ」
そう言ってレオがまたテレビをリモコンでつけたので、俺は本体の電源を落とした。
「何すんのよ!」
「だからお見舞い行くって言ってんだろ」
「それとテレビ消すのと何の関係があるのよ。私、お見舞いなんか行かないわよ」
「お見舞いは来なくていい。だがお前一人を家に置いていくわけにもいかん。留守中、何されるか分からないからな」
「何よ、エロ本でも見つけられるのが怖いの?」
ドキリとした。
しかし、別に、いや、あることはあるのだが、それは青年男子としては健康なことだ。
「そ、そんなもんねえよ。とにかく、行くぞ?」
これは少女に悪影響与えないための配慮だ。
「ちょ、ちょっとやだ、腕掴まないで変態!あぁ、もう……」
勘違いしないでいただきたいが、ただ腕を引いて玄関に引っ張ってるだけである。
そうして外まで連れ出して、レオはまたややこしい提案をしてくれた。
「私もやっぱお見舞い行くわ」
「ダメだ!リナに見られたらどうするんだ」
「何?リナってタクマの彼女なの?」
下から覗くようにレオが言う。
俺は内心動揺した。
「彼女、ではない」
確かに彼女とか、そういうものじゃない。
リナだって幼なじみでなきゃ俺なんか見向きもしないだろう。
「でも、ダメだ」
彼女ではないが、いろいろ聴かれたら何かと面倒臭い。
すると、レオはため息をついて、
「姿を消して行くわ。それなら文句ない?」
と言ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!