精霊2

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そういえば、確か昨日レオは俺の姿も消していた。 もし見えていたら窓越しに浮かんでる俺を見てリナがあんなにすましていられるわけはない。 「消して、だな?それなら別にいいけど」 「タクマもおかしな人ね。私みたいな美人を横に歩けるなんてこれ以上光栄なことは無いのに」 この女王様は可憐な見掛けに似合わずナルシス自意識過剰だから困る。 「あれ?姿もないのに声が聞こえるな。まあ気にしないで行くか」 華麗にスルーでアパートの階段を下りる。 「まだ消して無いわよ!」 少し怒ってついてくる姿は、やはり見た目もあってかあどけなく愛らしかった。 これで性格が天然ドジっことかならなあ。 男子の理想の夢なんだけど。 そんな俺の一時の夢はレオの階段上からのドロップキックで見事に粉砕されたのであった。
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