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井上は動こうとしない。
仕方ないので昂が対応することにした。
「青木さんよ、井上の兄貴が動こうとしねぇんだ。わりぃが代わる事はできねぇな」
「え……なんで動こうとしないんでしょうか」
「うるせぇとっとと消えろや!」
昂は電話を切った。
するとすぐにまた電話がかかってきたがシカトした。
昂は黙って動かないしたっぱヤクザどもに声をかけた。
「ほら なにやってんだ!仕事せんかい!井上の兄貴のことは俺にまかせろ!」
すると、その声に起こされたかのように全員が動き始めた。
昂は井上の元へ駆け寄った。
「井上の兄貴!大丈夫ですって!あんな電話シカトすりゃ大丈夫ですよ」
「ああ………」
すると、次の瞬間、井上がいきなり苦しみ始めた。
「うがぁああっ!!」
「!?…井上兄貴??」
「昂ぁ昂ぁ昂ぁあ」
井上が昂のスーツにしがみついた。
「助け…ろ昂ぁあきら……アキラァッ…アキ…ラ…」
「兄貴……おい!!?」
「…ァ……ア……ァ………」
柄にもなく苦しんでいる。
「ア…オキ……ハ…アク…リョ…ダ…ノロ…ワレ…………」
昂のスーツから手が離れた。
そして、井上は原因不明で急死した。
葬儀は速やかに行われた。
「兄貴を殺したのは俺かもしれない……………………あの時あの電話を取らければよかったのに…」
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