第三章

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「お おい……犬」 「……」 また吐いた。 昂の車が汚れていく。 「大丈夫?車酔いか?」 犬は座席に丸まり、うずくまった。 「フー…フー…」 「炭酸でも飲ませてみるかな…」 適当な自販機の前で止まって「C.Cレモン」を買い与えた。 すると、飲んだ。 犬が炭酸を。 普通ならあり得ない。 昂は普通のことと思っている。 「治ったか!よかったなぁ よし!出発だ!」 今度は犬を後ろに乗せた。 助手席は……考えるまでもなく、汚い。臭い。 犬はクーラーが効いた車の後ろの席で気持ちよさそうに寝ている。 「フフ.フーン…フ フ フゥッフーン……フフフンフーン…フフフーン…えーとこの次の信号を……」 なんて口ずさみながら、 確実に昂は青木に近づいて行った。 「信号がぁー変わったら…やっぱり人ごみの中に消えて行くーーんんだね…」 鼻歌から歌にかわった。 「いーーーーーーかーーーーなーーいでぇーー………ぼーーーーくぅのそーばーからぁーー……ん?」 昂の携帯にメールが来ていた。だが運転中なので、 信号が赤の時に見ることにした。 「いーーーーーかーーーーなーーいでぇーーー………もぉーー離しは…しないーからぁ……」 昂は熱唱しはじめた。 「もぉおーーー離しは………しないぃからぁ……」 完全に長〇剛になりきっていた。
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