後悔のメロディー

3/6
前へ
/6ページ
次へ
そして、僕は自動販売機でジュースを買い、ベンチに座った。 変な気持ちと後悔の波が僕を襲う…。 あの時、手を伸ばせば、金ちゃんは落ちなくてすんだのでは…。 いや、伸ばせなかったじゃなく、伸ばさなかった…。 あの時、金ちゃんが死んでもいいと、思った…。 あんなに大好きで愛しているのに…。 そう、狂いそうなくらいに…。 なのに、僕は、見殺しにしようとした。 いや、それどころか、持っていたナイフで殺そうとした! ダメだ、考えれば考えるほど、辛すぎる…。このジュースも美味しくない、だって…。 味がしない…。 僕は、ジュースを捨てその場を去った。      ● しばらく歩くと、向こうから、誰かが歩いてきた。 良太郎達だ。 「ウラタロス?どうかしたの?」 心配そうに僕を見る 僕は、微笑みながら 「いや、別に」 と、言うと、良太郎は金ちゃんの事を話始めた 「あのね、一応、僕達の名前は言っておいたから、えーっと、ウラタロスの事は、解るように説明しておいたから、大丈夫だよ。うん。」 良太郎が頑張って説明してくれるから、なんか笑ってしまった。 「何で笑うのさ!」 良太郎が怒る。 「いやいや、ごめんね」 僕が謝ると、良太郎が、話を続ける 「キンタロス、記憶なくした事、スゴく気にしてた…。さっきも、皆の事わからへんのは悪い気がするって言ってたし…。」 そうなんだ…。 「でも、僕は、少しづつ思い出してくれればいいって思ってるんだ。」 良太郎が笑いながら言うと、先輩もリュウタも笑顔で頷く。 僕も笑顔で 「そうだね。僕も、気長に待つよ。」 と、皆に言って、歩き始めた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加