後悔のメロディー

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何で皆は僕に何も言わないんだろう…。 一緒に居たくせに何で助けなかった!って、責められると思ったのに…。 なんだろう…。 このモヤモヤ感…。 いやだなぁ…。 暫くすると、向こうから…。  金ちゃんだ…。 嫌だ!今は、会いたくない…。 そう、思っていると、あっちから駆け寄ってきた。 「お前、ウラタロスやろ!」 スゴく、大きな声で言われたので、おもわずビックリして、 「うん、そうだけど…。」  と、答えると、 「やっぱりなぁ!そうやと思ってん!」 と、いつもの笑顔で頷きながら言われた…。 金ちゃん…。 こうして見るとなんにも変わらないのに…。 僕のせいで…。 俯く僕に金ちゃんは 「ウラタロス、大丈夫か?」 ウラタロス…。 その呼び方引っ掛かる…。 「僕の事、ウラタロスってよばないでよ!」 そう、言って、僕は金ちゃんの目の前から走り去った。 残された金ちゃんは 「お前、ウラタロスやろ!違うんか!」 不思議そうに、叫んでいた。 間違ってないよ! でも…。 金ちゃん…。 そんな、他人みたいに言わないで…。 辛すぎる…。 自分勝手な嫉妬心が巻き起こした事だから…。 余計に辛い…。 どうせなら、責められる方が良かった…。 殴られたりされた方が良かった…。 嫌われた方が良かった…。 僕は涙を流しながら歩いていた。 …次の日… 良太郎が、 「今日、姉さんの店が忙しくて人手がいるんだ、だから、皆で行くんだけど…。」 あぁ、そうなんだ。 じゃあ、僕も…。 「悪いんだけど、ウラタロス、キンタロスの看病してあげてよ」 え! ちょっと待ってよ! どうして? 「じゃあ、僕達急ぐから」 良太郎はそう言うと走り去ってしまった…。 僕の意見も聞かずに…。 足取りが重い…。 いやだなぁ…。 僕は医務室の前で、一つため息をつき、ドアを開けた。 「おぉ!えーっと、ウラタロス!」 思ったより明るい金ちゃんに驚いた。 「あ!お前、ウラタロスって呼んだらアカンかったよな。…んーと…何て呼んだらええんや?」 金ちゃんが考えこむので、僕がさりげなく 「亀の字って呼んでくれる?君は僕の事そう呼んでたから…。」 「そうか!んじゃ、亀の字で!」 なんだ、意外と大丈夫そう…。
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