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暫くして金ちゃんは思い出したかのように僕に包みを渡した。
「何?これ…?」
僕が不思議そうに聞くと、
「モモタロスがな、なんや、俺が買うたもんらしいわ」
「え?何で僕に…?」
すると金ちゃんは、リボンの隙間にささってるメッセージカードを指して、
「中に、【亀の字へ】って書いてあった」
え!
慌てて、メッセージカードを取り、中を見る。
【亀の字へ
ずっと、お前と共に生きていたい。亀の字、愛しとるで!】
僕は、自分の過ちに心が潰されそうになっていた。
すると金ちゃんが、
「何で、俺もこんなん書いたんか、覚えてへんけど、でも、これを書いた俺の気持ち解るような気がする…。」
そう言いながら金ちゃんは微笑んだ。
僕は、情けないやら、恥ずかしいやら、嬉しいやら、いろんな気持ちでいっぱいだった。
また、涙が溢れた。
「うわっ!なんでまた泣くねん!」
本当にごめんね金ちゃん…。
僕も君と共に生きていたい、…。
なくした記憶以上の思い出を二人で作ろう…。
君がいつかすべてを思い出したら、それも全部一緒にして…。
そして、あの時の気持ちを君にすべて話すよ。
多分君の事だから、笑ってくれるかな?
それとも、君の事を信じきれなかった僕を怒るかな?
色んな事を考えていると金ちゃんの手が僕の頬にふれた。
僕は目を閉じ、金ちゃんの唇に口付けた。
今回の僕達のキスは涙の味がした。
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