3人が本棚に入れています
本棚に追加
「スマン!亀の字スマン!」
俺は亀の字を抱きしめた。
「金ちゃん…。」
一時とはいえ、俺は亀の字を裏切った…。
たとえ、ここで、殴られても、仕方ないと思とった。
なのに…。
泣かれるとは思わんかった。
グシグシ泣きながら亀の字は
「僕、金ちゃんが居ないとダメなんだよ…。だから金ちゃん浮気しないでよ…。」
あぁ…。
なんで、俺あんな事したんやろ…。
アホやわ…。
俺は亀の字を撫でると
「スマン…。亀の字!」
と、謝った。
「金ちゃん…。」
「亀の字の気持ちを傷つけてしもうたな…。」
俺が俯きながらそう言うと、亀の字は両手で俺の顔に触れ自分の方に向けた。
「金ちゃん!今回だけだからね!」
スゴく怖い顔で睨み付けながら亀の字は言うと、軽く触れるだけのキスをした。
「解ってる、もうせえへんよ。…でも、よく考えたら、俺らまだなんもしてないで。これって浮気にならんのとちゃうの?」
俺がそう言うと亀の字が半ばキレながら
「んな訳ないでしょ!バカじゃないの!」
そう言いながら俺の頭を殴った。
すると亀の字は鋭い目付きで
「今回は未遂だから許すけど、ヤってたら…。二人共、命ないからね!」
その言葉に背中がゾクッとした。
なにはともあれ丸くおさまって良かったわ。
…でも、俺の中では、亀の字が昨日女と会ってた事に対してのモヤモヤがあるんやけど、まぁ、あの時間やったら、ヤッてる事もないやろう。
もし、してたら…?
もちろん、命ないよ、その女も亀の字も…。
俺は、亀の字を抱きしめながらニヤリと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!