プロローグ

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倉橋先生はこの病院きってのオトコマエと評判の先生だ。 身長も高く、聞いた事はないがおそらく180は超えてるだろう。 そこに、鼻筋の通った端正な顔立ちの甘いマスクが乗っかってる。 ノンフレームの眼鏡がかかった顔はいつもにこにことしていて、優しげなものだから人気は高い。 医者でこれだけのルックスなんだからそりゃ狙ってる看護師は掃いて捨てるほどいる。 なのに倉橋先生は未だにひとり。 彼女もいない。 ―――だって…なぁ? 「前回お腹が痛いと言ってたのは治ったのかい?」 何気なしに滑り込んで来た手は、下腹を撫でてからその下へと進んだ。 そして寝ている俺自身に指を絡めて来る。 「…治りましたよ」
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