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出会いの季節とは決して言えない冬に紗雪と私は出会った。
その頃の私は自分が異性に素肌を見せるなんて到底考えられないお嬢様で、そこそこ裕福な家庭でもあった。
真っ白なミンクのコートから延びる足に纏ったお気に入りのパンプスを小気味よくカツカツと鳴らしながらクリスマスを目前に賑わう街中を歩いていると後ろから声をかけられた。
「あっあの…ケーキ…の予約は……」
クリスマスの夜は毎年決ってディナーパーティーがありケーキの予約など必要が無かったので断ろうと振り向いた時、手づくりの温もりがあるビラを持つ手が目に入った。
寒さで微かに震えるその手は、私と同い年くらいにしか見えない子とは思えない程荒れていたのだ。
しばらく、その手から目が離せないでいると再度声をかけられた。
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