幸せの果て

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俺が独房に入って一ヶ月近く経った。何をされるのか不安で堪らなかった精神鑑定の日が翌日と迫った時、釈放されたのだ。 何故…?どうして…? 頭の中は、それだけ。外へ出れば理由も分かるだろうと、あまり考える事もなく荷物を纏め、看守を待った。 看守は程なくして俺を迎えに来た。会話もなく、最後に看守に礼の一言でも述べようとした時、沈黙は破られた。 「彼女を大切にしなさい。お前には罪がないと必死に訴えてたぞ?」 「え?」 俺は聞き返したが看守に肩を叩かれ、礼の言葉を述べる事もなく外の世界へ舞い戻る事となった。
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