幸せの果て

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重厚な扉の向こうは眩しかった。一ヶ月もいなかったのに懐かしささえ感じる。 だけど…出たくて仕方が無かったのに、外へ出た途端に戻りたくなった。 何故だろう。 扉の正面で立ちすくむ俺の前に突然、人間が現れた。あまりにもいきなり視界に入って来たので俺は小さな目を丸くした。 「驚かないでよ…」 目の前にいる人間に明らかに動揺を隠せない。 「さ…「久美、安田久美、よ」 「安田さん、ですか…すみませんでした」 俺は深々と頭を下げた。一応は彼女が助けてくれたのだ。…たとえ騙していたとしても。
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