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タクシーから降りると目の前は驚く程、豪華なマンション。
当たり前か…あんな仕事だし、金があるのだろう。
ボーッと眺めていると安田久美に入る様に促された。
「仕事柄、お金があると思ったんでしょう?」
「あ…まぁ…すみません。」
「正直ね。これはね、私に唯一残された物だから。別にお金がある訳じゃないわ…」
少し寂しそうな笑みを浮かべながら言う彼女を見て不覚にも綺麗だと思った。
部屋の中は、生活感にかけるこざぱっりした部屋だった。
コーヒーを入れてくるから適当に座る様に言われキョロキョロしながら待っていると
「そんなに見る物なんてないでしょう?」
と言いながらカップを差し出して来た。
安田久美の問いに答える事なくコーヒーを口に運び、一口飲むと早々に彼女に疑問をぶつけた。
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