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きみへ
大好きなきみへ
自分のことを好きになれない人間は他人を好きになれない
ぼくはきみが大好きだった
ぼくは自分があまり好きではなかった
自分のことが好きかどうかなんてどうでもよかった
ぼくはきみが大好きだったんだ
きみだけが
きみだけがぼくを悩ませることが出来た
悲しませることが
怒らせることが
傷つけることが
終わらせることが
きみの目にぼくは映っていましたか?
きみの肌にぼくを感じてくれましたか?
きみの中にぼくは居ましたか?
ぼくの目にはきみしか映っていなく
ぼくの肌はきみしか感じられなく
ぼくの中にはきみしか居なかった
ぼくの中にはきみが居る大きさしかないんだ
ぼくはいつも情けなくって
弱虫で
どうしようもなくって
ただただきみが大好きだったんだ
好きって何ですか?
愛してるって何ですか?
きみをぼくのものに出来なかったぼくはそんな事解らないんだ
きみを見て一日が始まり
きみと言葉を交わしてぼくは生きていられた
きみが隣に居るだけで
きみが同じ空間に居るだけで
きみが同じ高さを踏みしめているだけで
きみが住んでいる町の空気を吸うだけで
ぼくは生きていると感じられたんだ
きみは変わって
でもぼくはちっとも変われなくって
それでもきみは変わらない笑顔を見せてくれた
それなのにぼくはちゃんと笑えていたかい?
ちゃんと目を見れていたかい?
こんな自分が大嫌いだ
自分のことを好きになれない人間は他人を好きになれない
こんなぼくは軽蔑されるだろう
こんなぼくは誰にも相手にされないだろう
こんなぼくはきみを思い続けることしか出来なかったから
だから
だからぼくは少しずつ
少しずつ自分を好きになろう
だから
だから大好きなきみへ
ぼくは見えないものを
見たことがないものをひっしで探すよ
最初はうまく笑えないかもしれないけれど
笑って生きてゆくよ
だから
大好きなきみへ
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