第一話 ―出会い―

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 ここは某県にある黄華市(オウカシ)。 これといった産業はないが、程よく緑が残っているのどかな街だ。  この街には2つの高校がある。 市立黄華高校と私立百合ヶ原学園だ。場所はこの街のほぼ中央にあり、道路を挟んで建っている。  この物語の主人公は、黄華高校に通う二年生。名を『藤崎 亮』(フジサキ リョウ)という。 身長は180cm位、程よく付いた筋肉、なかなか整った顔。 ここまでなら、結構もてそうなものだが、どうにもこの男、目が鋭過ぎる。 本人にはその積もりが無いのに、周りを威圧してしまい、見る者に猛禽類をイメージさせる。  そんな男が今、何をしているかというと……  校内の隅、部室棟の裏で弁当箱を片手に持ち、女子生徒に投げ飛ばされて空を舞っていた。
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