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何故こんな事になったのか。
時間は少しさかのぼる。
――放課後――
亮が教室を出ようとすると声をかけられた。去年も同じクラスだった『霧原 柚葉』(キリハラ ユズハ)だ。
柚葉は、ニコニコしながら亮に話掛けてきた。
「藤崎くん、今日も愛しい彼女の所いくの~?」
ピシッと周りの空気が音を立てて凍り付いた。
亮はこの手の話が嫌いである。殺気をはらんだ怒声が響き渡る!!
クラスの誰もがそう思ったのだが……
当の本人は、少し寂しそうにため息をついて
「はぁ~。何言ってやがる霧原。まだ5m位しか近づいてくれないから、オスかメスか解らないじゃねぇか。」
クラスメートには何が何だか解らないが、二人の間では会話が成立しているらしい。
「あはは~。そうだったね。ボクも後で行くよ。」
その言葉を聞いて亮は嬉しそうな顔をする。
「あぁ、よろしく頼むよ。霧原は優しいし、美人だからアイツも気を許して近付いて来るだろうからな。俺一人だと、なかなか出てこないし。」
次の瞬間、柚葉は亮の間合いに入り込み、
「本当に!! 本当にボクの事そう思ってる?」
物凄い勢いで食い付いていらっしゃいました。
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