第一話 ―出会い―

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 何故こんな事になったのか。 時間は少しさかのぼる。 ――放課後――  亮が教室を出ようとすると声をかけられた。去年も同じクラスだった『霧原 柚葉』(キリハラ ユズハ)だ。 柚葉は、ニコニコしながら亮に話掛けてきた。 「藤崎くん、今日も愛しい彼女の所いくの~?」 ピシッと周りの空気が音を立てて凍り付いた。  亮はこの手の話が嫌いである。殺気をはらんだ怒声が響き渡る!!  クラスの誰もがそう思ったのだが…… 当の本人は、少し寂しそうにため息をついて 「はぁ~。何言ってやがる霧原。まだ5m位しか近づいてくれないから、オスかメスか解らないじゃねぇか。」  クラスメートには何が何だか解らないが、二人の間では会話が成立しているらしい。 「あはは~。そうだったね。ボクも後で行くよ。」 その言葉を聞いて亮は嬉しそうな顔をする。 「あぁ、よろしく頼むよ。霧原は優しいし、美人だからアイツも気を許して近付いて来るだろうからな。俺一人だと、なかなか出てこないし。」  次の瞬間、柚葉は亮の間合いに入り込み、 「本当に!! 本当にボクの事そう思ってる?」 物凄い勢いで食い付いていらっしゃいました。
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