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あまりの勢いに、流石の亮も引きながら
「あぁ、そう思うが……顔が近いって霧原!まぁ、よろしく頼むよ。」
そう言い残し、亮は教室を出ていった。
教室では、殆どのクラスメートがぽかーんとしている。
二年になり一ヶ月が過ぎたが、こんなに親しげに人と話す亮を初めて見たのである。去年、同じクラスだった連中は亮が普通に喋る奴だと知っているのだが。
「柚葉ちゃん、藤崎くんと仲が良いの?」
柚葉に話掛けたのは『西沢 弥生』(ニシザワ ヤヨイ)
二年から亮達と同じクラスになった少女だ。
柚葉には活発な、弥生には儚げな、と言う言葉がよく似合う。
ちなみに柚葉は髪を肩より少し上で揃えており、常にニコニコしている。弥生は髪を肩より少し伸ばしており、眼鏡を掛け図書委員をしている。
対極に近い性格の為か二人は仲が良い。
柚葉はそんな友人の瞳の奥に、亮に対する怯えの色を見付けた。
「弥生ちゃん、藤崎くんはそんなに怖い人じゃないよー。
確かに目付きは悪いし、言葉使いは乱暴だけど、優しい人だよ。」
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