10人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の合図と共に炎龍は前方の騎士に向かって小さな火の球を投げ放った。
ドカーン…
僅かな煙と炎、そして響き渡る音とともに辺りの霧は晴れていった。
「ほぉ…龍の子か。こいつは珍しい、だがまだ粗削りだな」
爆音から数秒たらずにそいつの声が近くから聞こえた。
慌てて振り返る僕。
そこには首を絞められ、地面に倒された炎龍。そしてその上に乗るそいつの姿が目視できた。
「炎龍!」
僕はとっさに腰にぶら下げた小さなアクセサリーを手に取り武器へと具現化させる。
そして騎士と名乗る男に斬りかかる。
「おっと…創銀者(クレイマー)か。さすが奴の息子ってとこだな」
そいつはあきらかに僕達の力を見極めていた。
「まぁ今日は挨拶程度だ。次は殺しにかかるさ。また会おう」
そういってそいつは僕達の前に巨大な竜巻を起こし姿を消した。
僕はそいつの気配が去ったことを確認し炎龍を担ぎ家へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!