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「お父さん、その格好止めてよ」
なんて苦笑しながらも俺の真似して颯爽とモンスターを乗り回して荒野を蹂躙していた息子はどこへ行ってしまったのだろうか…
俺はランボー、トップガンを続けて二本観つつ、深いため息を吐いた
次はプラトーンをセットしよう
「おぅ、親父」
お父さんはいつしか親父という、なんとも侘しい呼び名に変わっていた
ダディと呼んでくれと言ったら殴られたのは記憶に新しい
昔からの夢だし、叶えたいものだな
「出来たぞ、クラムチャウダー」
「息子よ。やはりお前の作るクラムチャウダーが一番美味いぞ!」
「うるせーよ。バカ親父」
ふ、次のホームパーティーはクラムチャウダーパーティーに決定だな
「照れるんじゃない、このマザーファッカー」
「マザーファッカーはお前だろっ」
「マジでベッドの上で後悔させてやろうか」
「息子に言う台詞じゃねぇだろうが!!」
ワイフが出ていって10年になる…
もう、とうに成人して立派に不動産業をこなす息子はなぜ無職の俺の元を去らずにこうして変わらず面倒を見てくれるのだろうか?
ユミコにも婚約破棄されてたのに
「なんだよ、今日は食い付き悪いじゃねえか」
「ああ…、お前は俺のこと見放さないな、と思ってな」
クラムチャウダーを口に運びやっぱり絶品だな、と誉めてやると女みたいなパンチが飛んでくる
フハハ、そんなことじゃ俺は倒せんぞ
「はぁ……いっくら気持ち悪くて変態でサイコ野郎でヤバくて恋人との婚約破棄に持ち込まれた原因でも実の親の面倒見るのは…当たり前だろ」
「Oh、shit!」
「お前英語喋れねえだろ」
可愛らしいこと言うじゃないか、息子よ
「もう少しで俺のトマホークが臨戦態勢になるところだったぞ!」
「死ね、このバカ親父。やっぱいつか出てくわ、俺は幸せになるんだよ変態」
「ダディと幸せになろうな」
「とりあえず精神の平穏を取り戻すために5、6発殴るわ」
終
アメリカン親父好きなんですよ
なんかもう、すいません
ガスハでも同じような脳内妄想半端ないです
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